こんにちは!
イレブンワークスのイレブンです!
以前、以下のような記事を書きました。
基本的に、本革製品の方が長持ちで、合皮製品の方が安価。
けれど、それぞれにまた種類や、メリットデメリットその他色々な特徴がありますよ、という記事です。
今回たまたま、経年劣化した合皮製品を手に入れたので「合皮が加水分解によって寿命を終えた時、その製品はどうなるのか?」といったことをまとめてみようと思います!!
それでは目次!
はじめに
最近、妻が先導して我が家の断捨離を行っております!
メルカリやジモティーを駆使して、不用品を売りさばいていくのですが、買う方にも目を光らせておりまして……特に格闘技用品が、状態良く、安く出品されているとテンションが上がります(笑)
そんな中、最近手に入れたのがタイのメーカー『フェアテックス』のすね当てです!
英語ではシンガード、和製英語においてはレガースと呼ばれるものですね!
キックボクシングの練習をしていると、脚が何度もぶつかって痛くてたまりませんので、それを防ぐ防具です☆
あなたがもしスネの骨を固く鍛え、武器化することが目的の空手家でないのであれば、シンガードは必須のアイテムとなります!
例えばボクシンググローブだと、日本のメーカーである『Wininng(ウイニング)』や、メキシコのメーカー『REYES(レイジェス)』が、高級品であり憧れの的かなと個人的に思います。
キックボクシング、ムエタイにおいては、その枠が『Fairtex(フェアテックス)』かなと!(これこそ完全に個人の感想です(笑)他にも高級メーカーはいっぱいあります☆)
旧モデルなのですが、ジモティーでの出品ページで写真を見る限り状態は良さそうで……なんと言っても1,500円だったため飛びついてしまいました(笑)
Amazonで見てみると、最安13,000円くらいからみたいなので、1,500円は破格です!!
出品者さんに「こちらはあまり身動きが取れず、直接引き取りには伺えませんので、送料こちら持ちで郵送いただけませんか?」と交渉したところ「そちらの近所には定期的に出向くので、その際に受け渡しでどうでしょう?」と!!
ますます運命を感じつつ取引が確定し、憧れのフェアテックス製品が我が家にやってくることになったのでした──。
最初の状態チェック
受け渡しはJRのとある駅。家族の都合諸々の関係で、妻が現場に行くことに。
想像よりも体格の良い男性だったとのこと。ご足労頂き感謝です……もらいに行ってくれた妻にも(笑)
ご丁寧に紙袋に入れてくれたところからいざ取り出しまして……
何年前に買ったのか、などは出品ページに書いてなかったのですが……まず旧モデルであること。次に、出品者様もまた、どなたかから譲り受けたものだとのことで、相当に年数が経過していると思われます。
しかし、パッと見で状態は良いように思えました!!
出品者様は、譲り受けて以降ほとんど使用しなかったそうで……マジックテープと、足裏のゴムの劣化がほとんど見られないことから、おそらくそれは真実なのでしょう。
MADE IN THAILAND
SYNTHETIC LEATHER
と、タグに書いてあります。
シンセティックレザーとは、人工的に製造された皮革のことです。
前回の記事で、本革ではない物の中でも『合成皮革』『人工皮革』などがあると書きました。
日本国内においては『合成皮革』のことをシンセティックレザーと呼び、『人工皮革』はアーティフィカルレザーと呼びます。
しかし海外においては、人工的に製造していれば、全部ひっくるめてシンセティックレザーと呼ばれることが多いようです。
こちらのページが非常にわかりやすかったので、ゼヒご覧ください!!
↓↓↓
というわけで、今回の品は少なくとも本革ではないことは確実で、合成皮革、人工皮革のどちらなのかは──
読み進めていただければ判明します(笑)
見る人が見れば、次の写真でわかるかも!?
全体的に状態は良いように見受けられたのですが、可動部分の皮が剥がれてしまっている箇所もありました。
自然にまかせ、ボロボロになってから対処すればいいと思ったのですが、ここで妻が、少し処置をしておいた方がいいのではと……。
そんな訳でダイソーに行き、『合皮用補修シート シールタイプ』を買ってきました!
商品URLはこちら↓↓↓
合皮用補修シートシールタイプ 黒 こげ茶 8cmX14cm 1枚jp.daisonet.com
ソファーや自転車のサドル、バイクのシートにも使えるという事は、体重がかかることは想定している……だから格闘技用品でも大丈夫だろう、という事で……
こんな感じになりました!!
よくよく見てみると、足首の可動部分だけでなく、スネや縁の部分にもひび割れが見られたので、そこに沿うように細長く貼りました。
貼りました、とか言ってますけど……実はこういう細かい作業になると張り切る妻が全部やってくれました(笑)
趣味に理解のある妻で本当に大感謝です☆
とりあえずこの形で、ジムで実戦投入することにしました!!!
2度目の状態チェック
流石フェアテックスのレガース!!衝撃吸収性が高くて脚へのダメージが少ない!!
……というのは今回とは別の話です(笑)
ジムで2回ほど使った結果、レガース表面のダメージが目立って来ました。
目立っていたひび割れに沿って細長く補修シートを貼ったりしましたが、シートを貼ったその周りに無数のひび割れが……。
シートが剥がれて浮き上がってしまった部分も見受けられます。やはりソファーやバイクのシートとは違い、ただ体重がかかるだけでなく、打撃による瞬間的なインパクトや横方向の摩擦が起こると、剥がれてしまうようです……。
浮き上がったシートをいったん剝がしてみると、合皮ごと剥がれてしまいました!!
こうなったら──
全部剥がしてしまえ!!
という事で、妻と一緒にハサミや定規を使ってガリガリガリガリ……。
ポリウレタンで出来た黒い表面を剥がすと、灰色の粘土質が現れます。これがおそらく接着剤。
その粘土質も落としていくと……
デニムのような手触りの基布が現れました!!
さて、これが「今回の品は合成皮革?人工皮革?」という話の答え合わせです。
もし人工皮革なら、この基布に直接ポリウレタンを浸潤させているため、こんな風に綺麗に剥がせないはずです(まだ人工皮革を剥がしたことが無いのでわかりませんが(笑))。
接着剤と思われる層もあったので、今回の品は合成皮革の物であることが分かりました。
余談ですが、マットでグレーな格闘技用品というのは見たことが無いので、意外とシブく仕上がったのでは?と思っています(笑)
ちなみに、作業時間としては4時間ほどかかっています……妻よ、重ね重ね感謝です☆☆
合皮を剥がしてしまって、レガースとして使えるのか
本革製品、合皮製品のどちらかに関わらず、新しく状態が良ければ、その表面は滑らかで柔らかいものです。そうでなければ、直接顔面などの皮膚にぶつかる格闘技用品として使えません。
今回、その滑らかで柔らかい表面を剥がしてしまい、表面がデニム生地のようになってしまったこのフェアテックスレガース。
早速ジムに持って行ってみると、その珍しい色合いと質感は評判になりました。
が、肝心なのは、このレガースで蹴られた感触。なにせ基布がむき出しなので、少しザラついているのです。
基本的にキックボクシングは空調の効いた室内で行いますし、運動強度も激しいので、オールシーズンにおいて半袖短パンの方が多いです。
そのため、このレガースで直接肌を打つことになるのです。
ジム仲間の皆さんに不評を買ってしまっては本末転倒です……。
この世にも珍しいグレーでマットなレガースはいったい何なのか……事前に説明をさせてもらい、いざ実戦!!!
ジム仲間の皆さんや、インストラクターの先生にヒアリングを行ったところ──
「普通のレガースと比べて、一瞬ザラッとした感触がある──まあ、そう言われてみればそう。それほど気にはならない」
という結果でした!!!
ちなみに、先生にこのレガースを装着してもらい、私イレブンを蹴ってもらうという調査も行いました(笑)
が、感想は同じでしたね☆
危険な改造グッズとしてお蔵入りになってしまうことなく、使っていけそうでひと安心!!
それでも気になるポイント
耐久性の低下
剥がしてしまっても問題なく使えるのなら、そもそもなぜ合皮が貼ってあるのか。
これは、局所的な力がかかった時に、基布そのものが切れてしまうことを防ぐためでしょう。
合皮の上からの局所的な傷なら、ひっかき傷のような形か、爪で押したような形に収まります。
しかし基布に切り傷が入れば、そこから破れが広がり、やがて衝撃吸収材までがこぼれ落ちてしまいます。
やはりもともとあった層を一枚剥がしてしまったという事で、寿命が縮んだのは間違いないでしょう。
そうはいっても、入手時の状態そのままでレガースを使いながら、合皮が自然にひび割れていくのを待つとジムを汚してしまいますので、今回はこれで良かったのかなと。
布製品としてのケアが必要
表面が布になったという事は、水分が染み込むという事。
これは、レガースの表面にファブリーズを吹き付けた直後の写真です。
水分が染み込んで色が濃くなっていることがわかります。
合皮が張り付けられた状態なら、水分をはじくので、お手入れとしては拭くだけで済みます。
しかし、このように水分を吸ってしまうという事は、蹴った相手の汗なども染み込んでしまうという事です。更には、自分のスネ側から表にまで汗が染みてくることも確認しました。
元々、練習が終わったら自分のスネ側にはファブリーズを吹きかけて室内に干すのですが……今後は表面にもファブリーズが必要です。単純にファブリーズ消費量が2倍です(泣)
顔面にヒットさせる不安
また、レガースで打たれる感触を確かめたのは、腕と太ももでのことです。
顔面では確かめていません。顔面の皮の方が当然薄いので、ハイキックで顔を蹴られた時にこのザラつきをどう感じるのか……それは未知数です。
ただ、私たちの練習内容で、最もハードな接触が起こるのは『マススパーリング』です。
マススパーリングとは、実戦形式の練習ではあるのですが、顔面への攻撃はなるべく寸止め、体への攻撃もある程度加減するというものです。顔面を思い切り蹴り抜くシーンはありませんので、大丈夫だとは思います。
しかし、たまたま相手の頭が下がった瞬間にキックが顔面に入ってしまうこともありそうです……その際はまず謝罪して、ザラつきが不快でなかったかヒアリングをしなければいけませんね(汗)
まとめ
こんな思い切ったことをして大丈夫なのか……WEBなどで前例を調べてみたわけでもなく、とりあえずでやってしまいました(笑)
もし同じことを考えている人がいれば、参考にしていただければと思います(笑)
加水分解によって劣化した合皮を剥がしてしまったことによって、デメリットも発生しましたが、ある程度使っていけそうで安心しました。
ただ、このフェアテックス製レガースが、なぜここまでしても使っていけそうなのか──。
そこには2つの要素がありそうです。
1.レガースであること
もしこれがグローブだったら同じ考え方は通用しません。
グローブを用いたパンチ攻撃は、主に顔面狙いで、キックよりも速く、スナップも効きやすいので、表面がザラついていては危険すぎます。
2.基布及び製品そのものの土台がしっかりしていること
合皮と接着剤をガリガリ剥がす作業の時点で、基布が薄ければ基布ごと破れてしまったのではないかと思います。
また、この製品自体がレガースとして固めです。もし土台が柔らかったら、ガリガリ削る際にハサミや定規がめり込み、やはり基布が破れてしまったのではないかと。
基布か土台のどちらかが柔らかい製品の合皮を、上手く剥がすことが出来たとしても……今度はそれを実戦投入した段階でやはり基布が破れてしまうと予測します。
ただこの「丈夫で良かったな☆」という基布も、いつ破れてもおかしくありません(笑)しかし1,500円でフェアテックスのレガースが手に入り、さらに構造について勉強が出来たので、もし壊れてしまっても十分に楽しめたなと思います!!
今回はこんなところで……また使い続けて状態が変化したら続報を書くかもしれません!!
それでは!!!