こんにちは!イレブンワークスのイレブンです!
突然ですが、皆さんにとって『革製品』というのは身近でしょうか?
財布や靴、カバンとして毎日何気なく使う方、オシャレにこだわり抜いた逸品をお持ちの方も多いかと思います。
かく言う私にとっての、普段使いやオシャレとしての革製品のイメージといえば……
「えーっと、財布と靴は確かに革だな……本革だ合皮だってのは気にしたことがないし、そんなに高いものは持ってないから合皮なのかな?それとも財布は頂き物だから本革なのかな?そもそも本革なら何が良いのかってのもよくわからん!!」
……といった感じです(笑)ファッションには疎いし、小物で良いものを持とうという気もほとんどありません(汗)
そんな私ですが、この度革製品について少し知る機会があったので、メモ代わりに書いてみようかなと思った次第です!
という事で目次です!
革製品を知りたくなったきっかけ
普段使いの物でも、オシャレアイテムでもない、今私にとってアツい革製品――
それは、何を隠そう『格闘技用品』です!!
格闘技といえば、拳にはめるグローブも、スネを保護するレガースも、打撃を打ち込む的であるミットも全部革製品。こんなにも革製品に囲まれるスポーツは無いんじゃないかと思ってしまうほどです(笑)
格闘技用品をいくつか持つようになるにつれ、値段や性能などの違いが気になってきて、なるべく自分にとって良いもの(安い、使いやすい、長持ち、手入れが簡単)を見つけていきたいなと思い、調べるようになりました☆
本革製品
①Full-grain leather(フルグレインレザー)
本項と次項に共通して登場する『グレインレザー』についてまずは説明します。
『グレインレザー』とは、表面に凹凸が少なくなめらかな『スムースレザー』の対義語で、でこぼこしたシワ感のある革の総称です。
そしてこの『フルグレインレザー』とは、動物の表皮の自然な状態がそのままのもの。つまり、革の表面に天然のシワや凸凹が入っているものということです。
使い込むほど、経年変化で味わいが増すため、高級品に使用され好まれるそうです。
②Top-grain leather(トップグレインレザー)
トップグレインレザーとは、動物の表皮の傷や染みを取り除くために加工し、着色したものです。そこへ更に『シュリンク加工』が施されることが多く、この加工によって、革の表面にシワが出来、耐久性がアップし、傷が目立ちにくくなります。
フルグレインとトップグレイン、どっちが高級なの?
素材そのままを使うフルグレインレザーの方が高級であると語られがちだそうです。
しかし優劣ではなく、特徴に違いがあるという認識の方が、欲しいものを選ぶときに重要だとのこと。
ざっくりいうと「フルグレインレザーはしっかりと手入れをしながら経年変化を楽しむ」「トップグレインレザーは手入れ少な目で現状を長く保つ」といった特徴の違いがあります。変化をイメージして商品を選ぶと良いのかもしれませんね。
③Genuine leather(ジェニュインレザー)
フルグレインやトップグレインと比べると、グッとお安くなる「ジェニュインレザー」。商品説明の材質の項目にもしっかりと「本革」と書いてあったりします。
Composition leather(コンポジションレザー)
コンポジションレザーとは、本来革製品に出来ないような革の切れ端やくずを、寄せ固めてシート状にしたものです。
先ほどの『TWINS』のグローブ。「GENUINE LEATHER」のマークは手首のバンド外側にあったのですが、内側のタグを見てみると「COMPOSITION:LEATHER」と書いてありました。
(1)革のくず及び細片をにかわその他の結合剤で凝結すること。
(2)革のくず及び細片を結合剤を使用せず強く加圧して凝結すること。
(3)くずを結合剤を使用せず紙を作るように熱湯中で加熱により離解させ薄い繊維状にし、このようにして得られたパルプをふるい分けし、圧延し、カレンダー掛けすることによってシートに成形すること。
ジェニュインレザーのまとめ
本革ではない製品
①合成皮革
表面のみを天然皮革に似せて、人工的に作られた素材全般のことを合成皮革と呼びます。一口にゴウヒ、と呼ばれるものですね。基となる布に、ポリウレタンやポリ塩化ビニルを重ねて、接着しています。
PUレザー(ポリウレタン)
ポリウレタン樹脂を使ってレザーに似せたものです。レザーと名前がついていますが、天然皮革とは全くの別物です。
PUレザーの性質は、そのままポリウレタン樹脂の性質である、伸縮性とある程度の撥水性です。
強みとして、とにかく軽く、また安価なため、身の回りの多くの品に使われています。
https://www.amazon.co.jp/s?i=merchant-items&me=A1IMFJ5BKZ7N24
PVCレザー(ポリ塩化ビニル)
ポリ塩化ビニルを使ってレザーに似せたものです。こちらも天然皮革とは全くの別物。
PUレザーと比較されることが多いので取り上げましたが、ざっと調べてみたところ、PVCレザーは格闘技用品に使われている事例が見当たりませんでした。
特性として、柔軟性に欠け、曲げ伸ばしに弱く、表面がひび割れたり、硬化、変色を起こすとのこと。格闘技用品との相性は最悪ですね……。
しかし、汚れた場合はただ拭くだけというお手軽さや、PUレザーよりさらに安価である事から、PVCレザーは様々な製品に使われています!
②人工皮革
見た目、質感も本革との見分けが難しく、樹脂の臭いでようやく判別が出来る程です。
以上の事から、ほぼ手入れ不要で5年以上も劣化せず使用可能とのことです!
③各社が開発したブランド合皮
マヤハイドレザー(Maya Hide leather)
イギリスの新興メーカー『RDX』が、ほぼすべてのラインナップに使用しているオリジナル合皮。Amazon公式ショップの商品説明には「ポリウレタン製の弾力性に富むプレミアム品質のレザー」と書かれています。これだけだとPUレザーと変わらないんですが……「従来品に比べ丈夫で、長期間の使用に耐えます」とも書いてあります(笑)商標登録もしているみたいなので、何らかの新技術でPUレザーをより強化したものであろうと思います。イギリスのホームページまで見てみたのですが、マヤハイドレザーが具体的にどのような構造なのかまでは掴めませんでした……。rdxsports.comコーテックス
日本の老舗格闘技ショップ『ISAMI』のプライベートブランド品の中でも、丸洗い可能なパンチンググローブ、オープンフィンガーグローブ、レガース(シンガード)に採用されているオリジナル人工皮革。リンクを確認頂ければおわかりだと思うのですが……自社開発したオリジナル人工皮革「コーテックス」は本革より丈夫で水に強い。と自称する以上の情報は全く分かりません(笑)かえって潔いと言えなくもないです!isamishop.com
クラエース
世界で初めて事業化に成功した人工皮革『クラリーノ』の開発元である、日本の大手化学メーカー『クラレ』が手掛けたオリジナル高耐久人工皮革。クラレのホームページによると、元々はダンプカーの荷台から、土砂などがこぼれないように補強するシートとして発売されたものとのこと。尖った砕石なども通さないことが目的なので、強度は言うまでもありません!http://www17.plala.or.jp/winning-homepage/punchingmitt.html自前のグッズで振り返ってみる
最高にお気に入り『PHENOM パンチキック兼用軽量ミット』
横からの図。この一枚に今回の話が詰まっているようなものです(笑)
『Winning ドラムミット』
自慢のコレクションのひとつですが、パンチ(しかも全力打ち込み)の練習以外に使うことがほとんどないのです(涙)こちらも2021年7月購入ですが、出番が少ないことと、”最強の人工皮革”クラエース製であるため、傷一つありません☆
RDX コレクション
簡易バンテージを探してて、Amazonで一番の売れ筋だったRDXに出会ったのが2020年……とても気に入ったメーカーなので、いくつものグッズを買いました☆
そのほとんどに使用されているのが、上述のマヤハイドレザーなのですが……PUレザーとの明確な違いはわかりませんでした、とも書きました。
しかし、特に右側のミット(的の真ん中に「2」と書いてあるもの。その右側のもう片方には「1」と書いてあります)を実際に使ってみて「これは耐久性があるな」と確信しました!
練習の流れからして、右側のミットの出番が圧倒的に多いので、耐久性について実体験で理解できました。他の物もガンガン使って、マヤハイドレザーの真価を確かめたいところです☆
この項目を書く際に改めて調べて分かったのですが、なんと手前の青いしゃもじ型のミットはフルグレインレザー!!そうと知って買ったわけではないので驚きです!!
急にありがたみが増す気がします(笑)
『フルガードレッグコブラ』
めちゃくちゃ強そうな商品名のこちらは、『ISAMI』さんのすね当て(レガース、シンガード)です!
これはオリジナル人工皮革「コーテックス」製。コーテックスもISAMIさんの自称以外の情報が全く掴めませんでしたが……
やはり使ってみて非常に丈夫です!
私自身はまだ半年しか使っていませんが、実はこれは頂き物で、元の持ち主はこれを10年以上前に買ったとのことです。
PUレザーなら未使用品でも耐えられないほどの年月を越えましたが、今でもご覧の通り、端々にわずかな傷しかありません!!
サンプル数1で恐縮ですが、コーテックスは素晴らしいと言わせていただきます(笑)
まとめ
今回の話について考える前の私なら、革製品の違いといわれても「牛と……馬の革の製品もあるよね?あと豚と、鹿と、蛇やワニ……」と動物の種類の違いしか思い浮かばなかったと思います(笑)
特に本革についてですが、今回触れたのは『牛革をどう加工したか』という目線においての分類です。また別の視点からだと『どの状態の牛(生後どのくらい、雄雌、出産経験の有無など)を使用したか』という分類もあるので、本当に奥が深いです……。
様々な動物が、様々な段階で加工されています。まず生命に感謝です。
生命への感謝、尊重という視点から行くと、一部の合成皮革は、いたずらに生命を消費しないということから「ヴィーガンレザー」というブランディングがされているようです。思想で商品を選ぶというのも自己表現のひとつですね!
自分のコレクションを振り返ってみると、本革も合皮も複数ずつ取り入れていることが分かりました。
それと知らず選んだこともありましたが、最初からある程度予算を確保していた時や、初めからメーカーを決めて選んだ時に、結果的に本革の商品になっている、という事が多かったかなと思います。
最初からある程度の出費を覚悟していて、そこに、老舗ブランドの品であることや『この商品は本革製です』という付加価値の情報が入り、実際に使ってみるとやはり長持ちするので、本革のありがたみを感じる……というプロセスで、本革製品は私の所有欲を満たしてくれています☆
我が家に合皮製品の”波”が押し寄せたのは『RDX』の存在を知ったからでした。最初は少額な物(簡易バンテージ)から、次にミット、グローブとRDX製品がどんどん増えました。価格の安さ、斬新なデザインや色使い、利便性を高めるためのギミックなど、本格派の老舗にはない要素に驚きの連続でした。
上述の通り、合皮の欠点は明らかなものです。しかし、各社が独自開発した合皮ならあるいは……?という『テクノロジーへの期待』が、私が合皮製品を選ぶ理由です。
格闘技用品は革製品であふれています。
革製品には非常に細かく、奥深い分類があります。
それぞれの強みを活かし、時には組み合わせ、高級さ、丈夫さ、便利さ、軽さ、安さなどが表現されています。
その片鱗を知った今、格闘技用品選びがますます楽しくなりました。
更に、既に手に入れたものへの理解も深まり、愛着、ありがたみも増しました。
この記事が、格闘技に興味関心がある方の目に留まり、格闘技用品選びの助けになれば、それに勝る喜びはありません。
あーでもない、こーでもないと楽しく悩んで、納得のいく買い物をし、愛着を持って道具を使い、格闘技を楽しんでいきましょう!!!
参考URL
グレインレザーの特徴|革のトリビア – 【公式】BLUE SINCERE(ブルーシンシア)
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